CMakeサクッと解説シリーズ
C++で本格的に開発を行う上で欠かせないのが CMake。
CMakeは「ビルド構成を自動化するツール」であり、
ソースコード・ライブラリ・依存関係を整理して、効率的なビルド環境を構築できます。
この講座では、CMake初心者が簡単な実務レベルまで到達する ことを目的に、
基礎から順を追って学べる全8回構成で解説します。
⚪︎このシリーズのゴール
このシリーズを通して、次のような力を身につけることができます。
- 小規模から中規模のC++プロジェクトをCMakeでビルドできる
- 外部ライブラリを導入して柔軟な依存管理ができる
- デバッグ・リリースなど複数ビルド設定を切り替えられる
- テスト・配布・再利用を意識した構成を設計できる
⚪︎こんな人におすすめ
- C++で小規模プロジェクトを作り始めた初学者
- 手動のMakefile管理に限界を感じている人
- 複数ディレクトリ構成や外部ライブラリ導入を試したい人
- 将来的にCI/CD・自動テスト・配布を行いたい人
⚪︎学習のヒント
- まずは 動かして理解する のがおすすめです。
すべての回で「動作確認できる最小例」を掲載しています。 - コードをコピペして、実際に
cmake -S ./ -B ./build→cmake --build ./buildを試してみましょう。 - 「動いた!」を繰り返すことでCMakeの構造が自然に身につきます。
○ちょっとひとこと
CMakeは「難しい設定ツール」ではなく「プロジェクトを整理するための言語」です。
一度理解すれば、どんな環境でも同じ構成で開発できる強力な味方になります。
この講座を通じて、C++開発がより楽しく、快適になることを願っています。
◎シリーズ一覧
第1回:CMakeの基本と最小構成を理解しよう!〜C++ビルドの第一歩〜
CMakeとは何か? どのようにビルドが自動化されるのか?
最小構成のC++プロジェクトをCMakeで動かしてみましょう。
第2回:CMakeLists.txtの基本を理解しよう
CMakeLists.txtの基本構文を解説。project(), set(), target_link_libraries() など、よく使う命令の意味を理解します。
第3回:複数ディレクトリ構成を作ろう
add_subdirectory() を使ってコードを整理し、
実際のプロジェクトに近い構成でモジュール化を体験します。
第4回:ビルドタイプとコンパイルオプションを管理しよう
Debug / Release などのビルドタイプと、
コンパイルオプション(警告や最適化設定)の基本を学びます。
第5回:外部ライブラリを導入しよう
find_package() / FetchContent() / add_subdirectory() の3手法で
外部ライブラリをプロジェクトに統合する方法を解説します。
第6回:インストール設定とパッケージ化を行おう
install() と CPack を使って、自作ライブラリを配布可能にする手順を紹介。
実用的なCMakeプロジェクトの完成形に近づきます。
第7回:ユニットテストを組み込もう
GoogleTestとCTestを組み合わせて、
テスト自動化環境をCMake上で構築する方法を紹介します。
第8回:CMakeのベストプラクティスと構成テンプレート
全体の総まとめ。
再利用性・可搬性・保守性を高めるCMake構成テンプレートを公開します。